フクオカRuby大賞優秀賞と日本OSS奨励賞を頂いて今思う事

フクオカRuby大賞優秀賞を頂き、その夜博多のホテルで受賞の余韻に浸っていました。次の日にはセミナーでの発表も控えているので、身体を休めるべく早めにベッドに向かい寝る事にしました。その夜は、めずらしくホテルでぐっすりと眠る事ができ、朝起きていつものようにPCを起動させると、日本OSS奨励賞の受賞通知メールが届いていました。

今年は春日大社でおみくじを引くとなんと「凶」だったため、「あー、今年は子供も生まれるし大変な年になるのかな」と思いつつも、「研究は神頼みするものでもなく自分でつかみ取るものだし」と気を引き締めていた直後の出来事でした。

自分は大学時代に経験した悔しさをきっかけに、よりよい研究をするために一旦大学を離れ企業で現場の運用や開発を経験したうえで、もう一度現場に近い感覚を持って研究をするべく、約2年前に会社を辞め博士課程に入学しました。自分の今いる研究室は卒業生を含めとても優秀な人ばかりで、厳しくも寛容に、研究とはどういうものなのか、学術的貢献とはいったい何なのかについて、常に本質を見失わないように指導して頂いています。研究者の立場で学術研究をする環境としては、自分にとって最高の場所です。

また、大学を一歩でるとmrubyのコミュニティでは、Matzさん、masuidriveさんやmattnさん等、圧倒的な技術力を持つ方々のやり取りや実装を間近で見る事ができ、そのスピード感にどうにかついていけるように頑張ってきました。その他、コミュニティに参加されている非常に優秀な技術者達のやり取りをどうにか理解できるように、ついていけない所は随時調べたり本を読んで勉強したり、実際にコードを書いてみたりしてスキルを磨いてきました。技術者の立場で技術を磨く環境として、ここは最高の場所です。

その結果、このような賞を受賞することができて相変わらず思う事は、自分は本当に回りに恵まれている、ということです。このような素晴らしい環境、そしてそこに属する素晴らしい人達がいなければ、賞を頂く事はきっとできなかっただろうと思います。

心から感謝します。

今振り返ってみて、では自分に必要だったのは何なのかを考えた時、大学においてもコミュニティにおいてもやはり、最初の一歩を踏み出す勇気、だったように思います。 一歩踏み出せば、そこにはこれまでに経験した事のない世界が広がっている事がわかりました。これからは、自分の事はもちろんのこと、いつかは自分よりもっと若い人達、今後のインターネットを支えていくような人達に、自分がこれまで与えて頂いた事、そしてちょっとした勇気で世界が変わる事を少しずつでも伝える事ができれば、これまた幸せだろうと思います。

皆様ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします!