著作物とウェブ

ふと思ったことを一つ。

最近は著作物に関して、ウェブ上に無断で流れてしまうことにすごく敏感になってきていますよね。

その理由として、「DVDなどが売れなくなってしまう」というのをよく聞きます。

これ、果たして本当でしょうか?
では、私用で複製することさえ違法とされているDVDについて考えてみます。


そもそも、DVDを買うときに、大半の人はどう思って買うでしょうか?

「この映画見たいな、よし買おう!」

でしょうか?
まず、根本問題としてこのような考えでDVDを大半の人間が買っていない限り、上記のような「DVDなどがうれなくなってしまう」=「買わなくても見たいものを手軽に見ることができる」という問題にはならないような気がします。

さて、ここで。

これはおくまで主観的な感覚であり、実際に統計データ(もあてにならないが・・・)見たわけではないので間違っているかもしれませんが、

大半の人はDVDを買う理由として

本当に気に入った

という理由で買うのではないでしょうか。

単純に「見たい」という考えであるならば、普通はレンタルビデオで借りるはずです。
安いですもんね。

そして、

本当に気に入って「手にしたい」・「自分のものとして持っておきたい」という考えが出てきてはじめて、DVDを購入する

という決断にいたる人が多いのではないでしょうか。

それが大きな理由とすると、

ウェブでDVDなどの著作物コンテンツを無料で見れるようになるとすると、普通に考えれば、DVD購入による収入ってむしろ上がる

と考えることができませんか?

第一段階として、「見てみたい」→レンタル、第二段階で「本当に気に入った」→「DVD購入」、という流れであるならば、第一段階を手軽に行うことができるのだから、第二段階にいたる可能性がかなり上昇することが考えられますよね。

つまり、この流れでいくと、本当に問題提起しないといけないのは、レンタル業者などであるはずです。

ところがどうでしょう。

レンタル業者の収入はyoutubeなど著作物問題が取りざたされた2004年から2006は急速に上昇しており現在は安定しているようです。

つまり、レンタルの時点で問題が出ていないのに、ウェブに著作物が公開されることの危険性をDVD購入減少の問題に現時点でつなげることは、本当に馬鹿げているように思えるわけです。

結局、日本という国は、見えもしない根拠のない危険性にばかり気をとられて、人々を縛ろうとするように思えます。
ひょっとしたら分かっていてやっているかもしれませんが。

確かにこのような説明を公にして、レンタルの収入が単調増加で安定しているとなると、ウェブ上の著作物のダウンロードを禁止する方向性に持っていく根拠にはならないですからね。
あえて、見えないけどなんとなくそんな気がするような理由を提示しているのかもしれません。

研究に関しても見えない危険性を示唆するばかりで、突っ込んだことができないなどの繰り返しだったように思えます。

ウェブ上の法律は、これから先本当に重要になってくる分野だと思います。

しかし、

ウェブの本質をみずに、見えない危険性ばかりを頼りに、法律を作っていく

ということだけはやめてほしいと思いますね。