日々のブラッシングや、月に一回程度の乳化性クリームの手入れだけでは、汚れがたまってくる。
そのため、半年に一回くらいは大掛かりなメンテナンスをしてやらないと、汚れが目立ったり、革がダメになってしまったりする恐れがある。
ということで、今日はDoverを2足綺麗にメンテナンスしてやった。
まずは、全体をブラッシングし埃を取る。
その後、布で水拭きし、乾拭きする。
この工程で、表面の埃や汚れをきちんととっておくことで、クリームののりなど、後の工程のより効果的になる。
乾拭きが終わると、ステインリムーバーでかるく汚れをふき取る。
布にしみこませ、なでるようにふき取るイメージだ。なでるように、複数回こすってやる。
ただ、トゥにはワックスがついているため、多少力を入れても良い。
その作業が終われば、10分程間をおいてから、デリケートクリームを塗る。
この工程は、きっちり細かい部位にも潤いと栄養を与えたいので、手で塗りこむ。
たっぷり塗りこんで、革がクリームを吸収し手が乾いてきたくらいで、布でかるく磨き余分なクリームをふき取る。
ここから、数分おいて乳化性クリームをペネトレイトブラシを使って、隅々まで塗りこむ。
あまり量は気にしておらず、ちょっとブラシの先をクリームにつけ、蓋で馴染ませてから全体に塗りこむ。
ウェルトの隙間など、全体に満遍なく隅々まで塗りこむ。
サフィールとモーブレイの乳化性クリームはほとんど変わらないが、BootBlackのクリームは非常に色が付きやすいように思う。
アンティーク仕上げ等、しっかりと色をのせたい時は、BootBlackのクリームがおすすめだ。
そして、塗り終わったらすぐに豚毛のブラシで全体をブラッシングする。
このブラッシングは結構きっちりやっている。全体にクリームを馴染ませ、余分なクリームをふき取るためだ。
このブラッシングは馬毛よりも固めの豚毛が適している。
それが終わると、数十分コーヒーでも飲んでから、布で靴全体を磨く。
この時点でグリーンの靴や、履きこんできた靴などはピカピカになる。
磨いた後は、ワックスの工程に入るのだが、僕はグリーンのワックスを全体に薄く塗り、鏡面に仕上げたい部位をkiwiのパレードグロスを使用する。
グリーンのワックスは、乳化性と油性の中間に位置しており、栄養を沢山含みぴかぴかに光るが、kiwiのワックス程硬い膜ができない。
そのため、薄く全体に延ばしてやれば、栄養を十分に皮革に与えることができ、またひび割れもせず全体に光沢を得ることができる。
乳化性クリームと鏡面仕上げの間のワックスとしては、最高のものだと思う。
磨き方は、グリーンのワックスを丸めたストッキングに少しつけ、まずは全体にワックスの点をつけていく。
そして、それを全体に引き伸ばして、すばやく磨き上げる。
この工程に水はいらない。まずは、ワックスを皮革にきっちりのせるためだ。
その後、細い布を指に巻きつけ、鏡面仕上げしたい部位にパレードグロスを厚く塗りこむ。
塗りこんだワックスが平らになるくらいまで磨き、数十分また休憩する。
その後、同じ布に水をつけ、厚く塗りこんだワックスの部位を軽く何度も磨いていく。
ワックスをさらに平らにし、革の凸凹を指で埋めていくイメージだ。
少しワックスが足りないなと思ったら、ワックスをたたく感じで指につけ、磨く。
その磨きを繰り返すと鏡面仕上げができる。
そして、最後の工程として、丸めたストッキングに軽く水をつけ、全体をすみからすみまでかるく磨く。
この工程で、グリーンのワックスを付けた全体も光だし、全体がピカピカになる。
水は数回だけで十分で、後はストッキングで乾拭きしてやれば、見事な光沢を得られる。
この光沢を見てしまうと、靴磨きはやめられなくなる。
うーん、綺麗だなぁ。
今は、他に二足サドルソープで洗って乾かし中の靴があるので、次回はそのレポートになりそうだ。